去年の春、
六本木のカフェを出たとき、
誰かが先に声をかけてくれた。
満夏。
そのときはポニョみたいな髪色で、
愛らしく、とてもよく似合っていた。
彼女はすでに sai sai achilles を知っていた。
軽やかな韓国語で、
ふっと話しかけてくれて—
おばあちゃんが韓国の方なんです、と言いながら、
私の少しくたびれた青い Balansa のキャップに目を留めて、
「釜山。
おばあちゃん、海雲台に住んでるの。」

カフェに入ると、
大きな La Marzocco が目に入る。
ステンレスの、
あのコーヒーマシン。
先に自分の姿が映るのか、
それとも、その上に残っているものに目がいくのか。
そして、ある瞬間、気づく。
ただの自分だということに。
同じ一日だけれど、
満夏の描いたものが、そこにある。
気づかないうちに、
少しだけ、笑っている。

東京 六本木
ブリコラージュブレッド&カンパニー
パンとコーヒー、
そして人が集まる場所。

満夏。
双子座。
眞郎とチニの娘で、
満月の姉。
六本木のブリコラージュ ブレッド & カンパニーで、
バリスタとして働いている。
でも本人は、
「働いているというより、ここで生活している気がする」
と言う。

昨年の春、ミナツさんと初めてお会いした日のことが今でも印象に残っています。明るくてやわらかな空気が、私たちをここまで連れてきてくれたような気がします。
そんなあなたを少しだけ映す、小さなものをひとつ選ぶとしたら何でしょうか。
イルゴンおじいちゃんの指輪
誰かと会うとき、1人で旅にでるときに少しお守りのような気持ちで身につけています。
普段から家族のものを身につけることが多いわたしを現すいちばん小さなものかもしれないです。


bricolage bread & co.で過ごす時間がとても好きです。
あの場所のコーヒーマシンの上に絵を残しはじめたきっかけは何だったのでしょうか。
ラシッドとアーマットへのありがとう
(長期でドバイから東京に滞在していた双子のゲストへのありがとうがはじまりです。)
彼らは毎日お店にきてたくさんのコーヒーを飲み
私たちを名前で呼び、挨拶を交わし、たくさんのことを教えてくれました。
特に心に残っているのは
雨の日にいつものようにテラス席で過ごしている彼らを見て、中に入らない?と提案したわたしに
『満夏、大丈夫だよ。僕たちは雨をもうすこし見て感じたいんだ。僕たちの国では年に5回しか雨が降らないんだ。』
といって雨を楽しんでいる彼らの姿でした。
そんな最高に素敵な彼らが帰る日に
名前を呼んでくれてありがとう。
わたしに分かる英語でいつも話してくれてありがとう(半分くらいは分かった)、知り合いの人に友達だと紹介してくれてありがとう、たくさんのことを教えてくれてありがとう。
と自分の言葉を英語にして伝えられるだろうか、時間はあるだろうか
そんなことを考えているうちに気がついたらコーヒーマシンの背中に彼らへのありがとうを描いていました。
マシンの絵を見た彼らを見て、絵はわたしの言葉や気持ちをより表現できるのかもしれないと思いました。

ミナツさんの作品を見るたびに、心の中にそっとしまっておいたワンシーンが広がるような気がします。
制作をするとき、思い浮かべている感覚やイメージはありますか。
言葉を思い浮かべています。
その絵ができるまでの自分との会話、誰かとの会話。
いつもそれは多分、愛についてで。
きっとコーヒーマシンに描く絵は自分へのこの絵を見る誰かへのラブレターなんだと思います。

最後に、東京で大切にしている場所があれば教えてください。
大切にしている人たちにあえる場所
そこがわたしの大切な場所です。
だからわたしは今日もここにいるんだと思います。


満夏との会話
言葉・写真 — Hyojin
ブリコラージュブレッド&カンパニー、 アンズさんに感謝。
この会話は日本語で行われています。
オリジナルは、ページ上部から日本語に切り替えてご覧ください。